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 遺言書作成の基本的知識

遺言書は主に3タイプの作成法があります。しかし基本的に様式主義なので
様式に不足があるとせっかくの遺言書が無効になって 遺言書作成の注意点をご紹介
しまいます。作成するときは慎重にしてください。
遺言  民 960条
①遺言書の方式
 (普通方式)
 自筆証書遺言― 全文、日付、氏名を自書押印                       民 968条
   遺言者の捺印は実印でなく認め印、指印でもよい
 公正証書遺言― 証人2人以上、遺言内容を公証人に口授、
   公証人が筆記、遺言者、証人が署名押印、
   公証人が要件確認付記+署名捺印 民 969条
 秘密証書遺言― 証人2人以上、遺言書の内容は自筆でなくてもよい
  (印字でもよい)が、氏名押印は自ら署名押印をし、その証書を
   封印し、公証人に提出公証人が公証手続き  民 970条
 (特別方式):普通方式遺言が可能になった時から6か月、遺言者が
         生存すれば失効          民 983条
 死亡危急者(証人3人以上)、伝染病隔離者(警官1人+証人1人以上)、
 在船者(船長又は事務員1人+証人2人以上)、
 船舶遭難者(証人2人以上)
 *証人、立会人の欠格事由 →遺言は無効となる
  未成年者、推定相続人、受遺者&配偶者&直系卑属、直系血族、
  公証人の配偶者、4親等内の親族、書記、雇人
②遺言事項
 (身分上に関する事項
 認知(民 781)-遺言執行者に届け出義務、
 未成年後見人の指定  (民 839)
  *就職者の就職の日から10日以内に届け出義務、
 未成年者後見監督人の指定(民 848)
 (相続に関する事項
 *推定相続人の廃除(民 892):この剥奪権は相対的で、父から
  排除されても母に対する相続権は失わない
 →廃除の効力は遺言の効力発生の後、遺言執行者が家庭裁判所に請求し、
   「廃除」の審判を受けて初めて生ずる
 *廃除の取り消し(民 894,893):家庭裁判所への請求が必要
 *相続分の指定(民 902)
   共同相続人の一人または数人のみについて相続分の指定があった場合、
  指定されなかった共同相続人は指定分を除いた残余財産について
  法定相続分により相続する
 *相続分指定の委託(民 902)
 *特別受益の持ち戻しの免除(民 903条3項)
   遺贈又は贈与した物を相続財産とみなすことを免除する
   →相続財産に組み入れなくてよい旨の意思表示、但し、
    遺留分は侵害できない
 *遺産分割の方法の指定(民 908):現物分割、価格分割、
                    代償分割、共有その他
 *特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言
  →遺産分割の方法が指定されたもので、被相続人の死亡の時に
  直ちに相続により承継される
  (遺産分割協議、家裁の審判手続きを経ずに)
 *遺産分割方法の指定の委託(民 908) 
   ――遺産分割の5年以内の禁止
 *共同相続人の担保責任の減免、加重 (民 914)
 *遺贈の減殺の順序、割合の定め(民 1034 但し書き)
 (相続財産の処分に関する事項
 *遺贈(民 964)
  - 包括遺贈(全部または一定割合)、特定遺贈
  →包括受遺者は相続人と同一の権利義務あり
  →遺贈については、遺言執行者または相続人全員が遺贈義務者
   となる
 *財団法人設立のための寄附行為 (民 41)
   →寄附行為に必要な定め(民 39)
   目的、名称、事務所、資産に関する定め、理事の任免に関する定め
 (遺言執行に関する事項
 *遺言者の指定、指定の委託(民 1006条1項)
 遺言執行者は相続財産の管理その他遺言執行に関する一切の行為をする
  権利義務を有する (民 1012)
 *遺言執行者の職務内容の指定 
 (民 1016条1項但し書き、1017条1項但し書き)
 復任権、共同遺言執行者等
 (その他の事項
 *遺言の取り消し (民 1022)
 *祖先の祭祀主宰者の指定 (民 897条1項但し書き)
  ―系譜、祭具および墳墓の所有権等
 *生命保険金の受取人の指定、変更 (商 675)
   ⇒遺言執行者が必ず必要な遺言事項 
   → 認知、推定相続人の廃除、取り消し
  遺言執行者がいる場合、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を
  妨げるべき行為をすることはできない   民 1013

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