くれよんのとうろんかい
番外編 黄のお悩み相談室


白はのたもうた。
「白という色は、クレヨンにおいてもっとも無意味なパートなのではないか?」
「紙の色が白ならば、白いクレヨンというのは使ってもあまり意味がない。」
「なんで白いクレヨンなんてあるのか?」
「いつも赤をピンクにしたりとか、そういう意図でしか使われない。」
「ピンク色のクレヨンを使えばよいのだから、そういう意図での需要もないに等しい。」
「白いクレヨンというのは、何のために存在しているのか?」
悩む白に黄が言った。
「黒い紙に絵を描くときに便利じゃない、白いクレヨンって。」


赤はのたもうた。
「なんかいつも思うけど、なんで俺って青と仲悪いんだろうな。」
「赤が象徴するものが炎で、青が象徴するものが水だからかな?」
「だとすると赤って青に物凄く弱いじゃんか。」
「それは嫌だなぁ。青より強くなりたい。」
「ていうか青ってむかつくよな。偉そうにしちゃってさ。」
悩む赤に黄が言った。
「うだうだ考える前に、青より頭良くなりなよ。」


緑はのたもうた。
「ていうか討論会って実はどーでもいいと思わない?」
「僕が唯一の知恵袋だ、なんて言ってくれるのは嬉しいんだけどさ。」
「僕はどっちかっていうと、働いてないときくらい眠りたいんだよね。」
「緑色の需要って多いんだから。どんどん背が縮んでくよ。」
「疲れるんだよね。寝かせてくれないかな、本当に。」
悩む緑に黄が言った。
「でも討論会以外のときは起こすと怒るほど寝てるじゃん。意外と討論会スキなんでしょ?」


青はのたもうた。
「悩み?悩みなどないな。」
「あえていうならば悩みがないことが悩みか?」
「でも悩みなんてないほうがいいしな。」
「悩むほど馬鹿なことはないと考えている。」
「自分を見つけるためには悩むことが必要?」
「もしかしたらそうなのかもしれないな。」
悩む青に黄が言った。
「どっちかっていうといつも悩んでるよね、青って。」


黒はのたもうた。
「…………。」
「…………。」
「白を止めるのが面倒だ。」
「…………。」
悩む黒に黄が言った。
「喋るの苦手なのは分かるけど、白を止められるのは黒だけだよ。」


黄はのたもうた。
「頭悪そうに見られるんだよね、いつも。」
「可愛い子ぶってるの、わかんないかなぁ。」
「半分くらいはワザとなんだけどね」
「計算してやってるって、気付かれないのも空しいよね。」
「気付かれないに越したことはないんだけどさ。」
悩む黄に黄が言った。
「ま、楽しいからいっか。」


一番の食わせ者は黄かもしれないという話。





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