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喜多町の山車の霞幕 |
霞幕に書いてある文字について
子曰、為政以徳、譬如北辰居其所、而衆星共之。
子(し)曰(のたま)はく、「政(まつりごと)を為(な)すに徳(とく)を以(もっ)てすれば、譬(たと)へば、北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(い)て、衆星(しゅうせい)の之(これ)に共(むか)ふが如し。」
政治上の理想は徳治主義です。徳治と申しても法律がいらないのではありません。伝説によると、法律は尭舜時代からすでに五刑という五種類の刑罰が設けられてあったと書経等にあります。刑罰が不必要というだけではありません。しかし政治の根本の精神としては徳を以ってせねばいけないという考えですから、先ず自己の修養をやり、自己を修めて身を以って国を率いるというのでしょう。そのように徳治主義でやっていると、たとえば北極星があの所にあり、多くの星が北極星を中心としてそれに向ってぐるぐる回っているようなものです。(共という字は敬意を表する時の態度、手扁のついている拱と同じです。)衆星が北極星を中心として回っているというわけで、国民が皆君子の一言一行を見守って、その教えに従い過ちに陥らぬようにすれば天下は治るというのです。