土地家屋調査士・登記Q&A

土地について

 

登記簿の面積について説明してください?

Q

登記簿上の地積について詳しく説明してください。

A

明治時代に行われた地租改正事業に基づいて測量された土地の面積は、法令の改正を経て今日に至っておりますが、公簿(登記簿)面積と実際の面積は必ずしも合致しているとは限りません。
そこで、土地家屋調査士に調査、測量を依頼して、あなたの土地の面積を正確に知っておくことが大切です。

 

登記簿の面積を直すには?

Q

登記簿では私の所有する土地の面積が264uとなっていますが、建物を建てるために測ったところ、297u程ありました。登記簿の面積を直すことが出来るでしょうか?

A

土地地積更正登記を法務局に申請することにより可能です。

この土地の面積は、登記簿よりも広いわけですから、実務上は隣接の土地所有者全員の、境界について異議のない旨の同意書が必要で、これには隣地所有者の実印を押し、印鑑証明書を添付しなければなりません。もし同意書がもらえない場合は、隣地所有者に、法務局の実地調査に立ち会っていただき、境界について異議ないことを証言してもらわなければなりません。この他隣接に道路や川などの公共用地がある場合は、その土地の管理者(県、市町村、国土交通省等)へ境界確定証明書等の交付を申請せねばならず、これには官公庁が要求する様々な書類・作業が必要となります。これらが全てそろって、はじめて法務局に申請することとなります。

充分な調査と正確な測量により境界の確認を行っても、隣地所有者の同意書が全て得られるとは限らず、土地家屋調査士業務の中でも完結が難しい登記の一つになっています

愛知県土地家屋調査士会ホームージより

建物について

表示登記ってなに?

Q

建物を新築したので、銀行に借り入れの相談に行ったら、その前に表示登記をしなければならないと言われました。表示登記って一体どんな登記ですか?

A

登記簿は一筆の土地、一個の建物ごとに作られていて、表題部、甲区、乙区に分かれています。登記されていない土地や建物を登記すると言うことは、その登記簿を新たに作ることです。登記簿の内、まず最初に作られるのが表題部です。この表題部を作るための登記が表示登記です。

建物の登記簿の表題部には、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、新築の日付、登記の日付、所有者が記載されます。建物の表示登記は、建物の所有権を証する書面(建築確認通知書、工事完了引渡証明書等)、住民票、建物図面、各階平面図等を添付して建物が完成してから1ケ月以内に申請しなければならないことになっています。但し、表示登記が終わっただけでは権利書はまだ出来ません。表示登記が終わってから所有権の保存の登記を申請することにより甲区(所有権欄)が作られ、その保存登記の登記済証が権利書となります

愛知県土地家屋調査士会ホームージより


建物は登記しないといけないの?

Q

このたび、自宅を新築しました。この際、公的機関および銀行からの借金無しで支払いは済んでおります。この場合、登記する必要があるのですか。また、登記が必要であるならその理由は何ですか。

A

まず結論を申し上げます。
あなたの建物は登記をする必要があります。

法的には、「不動産登記法」という法律で、建物を新築したときは、1ヶ月以内に建物の表示登記をしなさい(同法93条1項)。もし、しない場合は、10万円以下の過料処分(行政上の罰金)にします(同法159条の2)。とされています。不動産登記制度は、自己の権利を公示して、他人に対して権利を主張するという面(対抗要件といいます)を持っていますので、自分の権利を保全する上でも登記をすることをお勧めします。土地が借地である場合などは、建物の登記をすることによって借地権を対抗できます。また、今後建物を奥さんやお子さんに贈与したり、急な借入れのため担保に提供しなければいけない場合、やはり、登記が必要になるでしょうが、調査や測量を伴い、下記のように2段階で登記することになるため、短期日ではできません(2週間から4週間程かかっています)。ということで、後々のことを考えると、登記をしておいたほうがよろしいと思います。

建物の新築の際の登記は、2段階に別れています。一つは、建物表示登記、もう一つは、所有権保存登記です。建物表示登記というのは、建物の所在地番、形状、面積、所有者などを文字や数値だけでなく、図面を添えて登記所に登録する制度です。図面を作成することから、所有権関係の私法上の知識だけでなく、測量技術も必要(特に土地の測量には重要)になってきます。そのような資格者がわれわれ「土地家屋調査士」です。こうして、建物の全体像が把握された後に、所有権に関する登記(所有権保存登記)をして、自分に所有権があることを公示します。この所有権保存登記の際の登記済証を俗に「権利証」といいます。

この所有権保存登記は「司法書士」の業務になりますが、お近くの土地家屋調査士に依頼すれば、司法書士にも連絡を取り、一連の事件として処理していただけるでしょう。

愛知県土地家屋調査士会ホームージより

A (補足)完成後一定期間内に登記すると自己用の住宅であれば 登録免許税が減免されます。(築後1年内の新築若しくは建築後使用されたことのない建物で、50m2上の床面積を有し、居住の用に供される建物を指します。市町村役場発行の住宅用家屋証明書を添付して申請すると、通常、登録免許税6/1000が1.5/1000に減税されます。(租税特別措置法第72条))
反対に長い期間登記せずにおくと、いざ登記となると大工さんが死亡していたり、 転居先が分からなくなってしまっていたりして、いろいろと難しい問題も起きてきます。
また申請にもいろいろ添付書類が必要となり、現場調査にも時間がかかる場合が多く、費用も重むことになります。
最悪の場合では、他人に登記され、さらに売却されてしまい、取り戻すのに裁判費用やら、場合によっては買い戻し費用も必要となり、大変なことにならないとも言えません。
出来るだけ早く、表示登記の専門家である土地家屋調査士に相談し、登記するのがよいと思います。


建築確認通知書の設計とは、一部変更して建物を建ててしまったがは登記できますか?

Q

建築確認通知書はとっていますが通知書の設計と現物の建物とは違う建物を建ててしまいましたが登記はできますか?

A

もちろん登記できます。建物表示登記は現況主義で登記することになります。しかし建築確認通知書は所有権証明書の一部となりますので軽微な変更(屋根の種類等)はそれほど問題にはなりませんが大規模変更(外見を変えて部屋を増やした等)は現物建物と確認通知書と同一性がないと判断される場合がありますので注意が必要です。さらに確認通知書以外にも所有権証明書として必要となる書類がありますので、土地家屋調査士にご相談ください。